Postmaster v2 Pass/Fail の見方とは
目次
「以前は High / Medium / Low / Bad の 4 段階で表示されていたドメインの評価が、新しい画面では見当たらない」。Google Postmaster Tools が新版(v2)に切り替わったことで、こうした戸惑いの声が Web 担当者から増えています。本記事では、v2 で評価表示がどう変わったのか、そして Pass/Fail や低評価が出たときに何を確認すればよいのかを整理します。
Postmaster Tools の登録方法や基本的な画面構成は別記事に譲ります。導入がまだの方は、まずPostmaster Tools の使い方(基本編)をご覧ください。
v1 の「4 段階評価」は何だったのか
旧来の Postmaster Tools(v1)には「Domain Reputation(ドメイン評価)」「IP Reputation(IP 評価)」という画面があり、送信者の状態を High / Medium / Low / Bad の 4 段階で示していました。
- High: 良好な送信者。迷惑メール判定されにくい
- Medium / Low: 一部に問題があり、配信に影響が出る可能性
- Bad: 多くのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられる状態
この 4 段階は分かりやすい一方で、「Low と表示されたが、具体的に何を直せばいいのか分からない」という声が多くありました。評価は多くの要素の総合結果であり、改善しても画面に反映されるまで時間がかかる、という使いにくさもありました。
v2 で表示はどう変わったか
Google は 2024 年に Postmaster Tools の新版(v2)を公開しました。最も大きな変更は、ドメイン評価・IP 評価の 4 段階表示が廃止されたことです。代わりに導入されたのが「コンプライアンス(Compliance Status)」の考え方で、送信者ガイドラインの各要件を満たしているかどうかを、より合否に近い形で示す方向に変わりました。
つまり、評価表示は「あなたの評判は High か Low か」という主観的なスコアから、「Gmail の送信者要件を満たしているか/いないか」という客観的なチェックへと軸足が移りました。Web 担当者にとっては、「どこを直せば合格に近づくのか」が以前より特定しやすくなったといえます。
なお、旧 v1 の Web 画面の提供終了時期については、Google が利用者の声を踏まえて当初予定を見直すなどの調整を行っています。提供終了の正確な日付や移行スケジュールは、必ずGoogle の公式情報をご確認ください。
Fail / 低評価が出たら確認する 3 要素
合否寄りの表示で「Fail」や低い水準が出た場合、確認すべき要素は大きく 3 つです。いずれも Gmail の送信者要件に直結します。
1. SPF / DKIM / DMARC の整合(認証率)
v2 の「Authentication(認証)」画面では、自社ドメインから送ったメールのうち、SPF・DKIM・DMARC をそれぞれ通過した割合が表示されます。
正しく設定されていれば、DKIM と DMARC は 95% 以上を維持できるのが一般的です。SPF は外部サービス経由の送信が多いと低く出る傾向があります。認証率が大きく下がっている場合は、
- DKIM 署名が一部のメールに付いていない
- 送信元 IP が SPF レコードに含まれていない
- DMARC アライメント(送信ドメインと認証ドメインの一致)が崩れている
といった原因が考えられます。Gmail / Yahoo の送信者要件と認証設定の全体像はGmail・Yahoo の送信者要件まとめで解説しています。
2. 迷惑メール率(Spam Rate)
迷惑メール率は、受信者が「迷惑メールを報告」した割合です。Google は 0.10% 未満を推奨し、0.30% を超えると配信に明確な影響が出るとしています。この数値は v2 でも引き続き重要な指標で、評価表示が合否寄りになった今、実質的に配信状態を映す中心的な数字になっています。
閾値の意味と下げ方はGmail 迷惑メール率 0.10%・0.30% の基準で詳しく扱っています。
3. その他の送信者要件
認証と迷惑メール率に加えて、ワンクリック登録解除(List-Unsubscribe)や、有効な PTR レコード、通信の暗号化(TLS)なども要件に含まれます。これらが欠けていると、合否表示に響くことがあります。
「Fail」は何を意味するのか(過度に恐れない)
「Fail」と聞くと、すぐにメールが届かなくなるのではと不安になりますが、表示はあくまで「要件を満たしていない箇所がある」というサインです。要件を満たしていない状態が続けば配信に悪影響が及びますが、原因を一つずつ直せば改善できます。
重要なのは、4 段階評価の時代より「何を直すか」が見えやすくなったという点です。認証率・迷惑メール率・登録解除といった具体的な項目を順に確認し、欠けている箇所を埋めていくことが、そのまま配信改善につながります。
なお、Fail や要件未達がもたらす具体的な配信挙動(迷惑メール振り分けや受信拒否など)の扱いは時期により変わり得ます。最新の正確な仕様はGoogle の公式情報をご確認ください。
Web 担当者が今やるべきこと
v2 への切り替えで戸惑ったら、次の順番で点検するのがおすすめです。
- Authentication 画面で SPF / DKIM / DMARC の認証率を確認する(DKIM・DMARC は 95% 以上が目安)
- Spam Rate 画面で迷惑メール率が 0.10% 未満に収まっているか確認する
- ワンクリック登録解除・暗号化など、他の送信者要件の充足を確認する
評価が「数字」ではなく「合否」で示されるようになったぶん、対処すべき箇所は明確になりました。逆にいえば、SPF / DKIM / DMARC の設定にずれがあると、合否表示にそのまま現れます。
よくある質問
Postmaster Tools v2 で 4 段階評価はどうなりましたか?
v2 ではドメイン評価・IP 評価の High / Medium / Low / Bad の 4 段階表示が廃止され、送信者要件を満たすかどうかを合否に近い形で示す「コンプライアンス」の考え方に変わりました。
Fail や低評価が出たら何を確認すべきですか?
SPF / DKIM / DMARC の認証率(DKIM・DMARC は 95% 以上が目安)、迷惑メール率(推奨 0.10% 未満、0.30% 超で配信に影響)、ワンクリック登録解除や暗号化など他の送信者要件を順に確認します。
Fail はすぐにメールが届かなくなる意味ですか?
Fail は「要件を満たしていない箇所がある」というサインです。未達の状態が続けば配信に悪影響が及びますが、原因を一つずつ直せば改善できます。具体的な配信挙動は時期により変わるため、最新仕様は Google の公式情報をご確認ください。
自社ドメインの認証設定を確認しませんか
「Postmaster Tools で Fail が出ているが、SPF や DKIM のどこが悪いのか分からない」。そんなときは、まず認証設定の現状を客観的に把握することが第一歩です。
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