UDRP(統一ドメイン名紛争処理方針)申請手順|WIPO への取消請求の流れ
目次
この記事でわかること
- UDRP(統一ドメイン名紛争処理方針)の基本
- 申請が認められる 3 要件
- WIPO への申請手順と費用
- 期間と勝率
- 申請代行が弁護士領域である理由
UDRP とは
UDRP(Uniform Domain-Name Dispute-Resolution Policy)は、ICANN が定めた ドメイン争議の国際統一手続き。商標権者が悪質なドメイン取得者(cybersquatter)に対し、ドメインの取消または自社への移転を請求できます。
主要な紛争処理機関:
- WIPO(World Intellectual Property Organization、ジュネーブ)— 最も利用される
- NAF(National Arbitration Forum、米国)
- ADNDRC(Asian Domain Name Dispute Resolution Centre、アジア)
日本企業は WIPO 経由が一般的です。
申請が認められる 3 要件
UDRP §4(a) で以下 3 要件をすべて満たす必要があります:
要件 1: 商標との同一・混同類似
申請者が登録商標を持ち、対象ドメイン名が その商標と同一または混同を生じる類似性を持つこと。
要件 2: 正当な権利・利益の不存在
ドメイン保有者が、そのドメインに対する 正当な権利または利益を持たないこと。
要件 3: 不正の目的での登録・使用
ドメインが 不正の目的("in bad faith")で登録・使用されていること。具体例:
- 商標権者への高額売却を目的
- 商標権者の事業妨害
- 商標と混同させてアクセスを引き寄せる
- 競合他社への譲渡
3 要件のうち 1 つでも欠けると申請は却下されます。
申請手順
ステップ 1: 弁護士または WIPO 認定代理人に相談
中小企業が自力で申請するのは困難です。商標専門の弁護士に依頼します。
ステップ 2: 申立書を WIPO に提出
WIPO のオンラインシステム(domainnames.wipo.int)から提出。記載項目:
- 申請者情報・商標登録情報
- 対象ドメイン情報
- 3 要件への該当性立証
- 求める救済(取消 or 移転)
ステップ 3: 申請料の支払い
| ドメイン数 | パネリスト 1 名 | パネリスト 3 名 |
|---|---|---|
| 1〜5 件 | $1,500 | $4,000 |
| 6〜10 件 | $2,000 | $5,000 |
中小企業は通常 パネリスト 1 名 / $1,500。これに加えて弁護士費用が $5,000〜$15,000 程度。
ステップ 4: 答弁期間
被申請人(ドメイン保有者)に 20 日間の答弁期間。
ステップ 5: パネル決定
パネリストが書類審査のみで決定。口頭審理は通常なし。
ステップ 6: 決定の実装
申請が認められたら、対象ドメインのレジストラに通知され、10 営業日後に取消 or 移転実行。
期間と勝率
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 申請から決定まで | 約 60 日 |
| 決定から実装まで | 10 営業日 |
| 総期間 | 約 2.5〜3 ヶ月 |
| 勝率(WIPO 統計) | 約 90% |
3 要件が明確に揃えば勝率は高い。ただし要件不充足のまま申請して敗訴すると、その後の 訴訟が困難になるので慎重に。
申請代行が弁護士領域である理由
UDRP は形式上は ICANN の私的 ADR(Alternative Dispute Resolution)ですが、実質的には 法的紛争:
- 商標法・各国法・国際私法の知識が必要
- 立証書類の構成が法廷類似(弁論主義)
- 敗訴時の影響(後続の商標訴訟)が大きい
- 反対請求(逆 UDRP)リスク
ドメイン番人では:
- 棚卸し・候補抽出
- 申請可能性の事前判断(3 要件チェックリスト)
- 申請書草案の構成助言
- 弁護士紹介(提携先がある場合)
までを対応します。実際の WIPO への提出・代理は、貴社の顧問弁護士または商標専門弁護士に依頼してください。
まずは現状を把握しましょう
まずは 類似ドメイン棚卸し 単発チェック で UDRP の対象になりうる候補を洗い出します。
棚卸しと UDRP テンプレ提供 + 申請可能性の事前判断は 類似ドメイン棚卸し+ブランド保護診断(5 万円〜)でご相談ください。申請代行は弁護士領域のため行いません。
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