dangling CNAME(宙ぶらりん CNAME)とは?リスクと検出方法をWeb 担当者向けに整理
目次
この記事でわかること
- dangling CNAME(宙ぶらりん CNAME)の意味と、なぜ危険なのか
- 検出する 3 つの方法(CT log / DNS 解決 / SaaS 占有確認)
- 是正の 4 ステップ
- 自社で見落としやすいパターン
dangling CNAME とは
CNAME レコードが指している先(例: old-app.herokuapp.com)の SaaS 側リソースが既に削除・解約されているのに、CNAME は DNS に残ったままの状態を「dangling CNAME(宙ぶらりん CNAME)」と呼びます。
campaign.example.co.jp CNAME old-app.herokuapp.com
↑ 解約済(攻撃者が再取得可能)
CNAME 自体は DNS の正規エントリなので、外部からはまだ生きているように見えます。これが攻撃者の餌食になります。
なぜ危険なのか
CNAME の宛先 SaaS で同じリソース名を新規取得できる設計になっている場合(Heroku / GitHub Pages / S3 等の多くがこれに該当)、攻撃者が再取得すると 御社のサブドメインが攻撃者のサイトを返すようになります。
- HTTPS 証明書も攻撃者が SaaS 側で取得 → ブラウザは鍵マークを付ける
- アドレスバーは御社のドメインのまま → エンドユーザーには気付けない
- 結果: 御社のドメインで偽ログイン画面 / 偽請求書 / 偽キャンペーンが配信される
サブドメインテイクオーバー全体の仕組みは こちら で詳しく解説しています。
検出する 3 つの方法
方法 1: CT log(証明書透明性ログ)から全サブドメインを列挙
crt.sh で %.example.co.jp 検索すると、過去に発行された全証明書のサブドメイン名が得られます。これが起点。
curl -s 'https://crt.sh/?q=%25.example.co.jp&output=json' \
| jq -r '.[].name_value' | sort -u
方法 2: 各サブドメインの CNAME を確認
for sub in $(列挙したサブドメイン); do
dig +short CNAME $sub
done
CNAME が返ってくるサブドメインが対象。
方法 3: CNAME 宛先の SaaS が解約されているか確認
CNAME が xxxxx.herokuapp.com yyyyy.github.io 等の SaaS パターンに合致したら、その SaaS にアクセスして「リソースが存在しない」エラーが出るかを確認します。エラーメッセージは SaaS ごとに異なり、HerokuOSS 名解決失敗 / GitHub Pages の "There isn't a GitHub Pages site here" 等が判定キー。
ドメイン番人の単発チェックなら 30 秒
毎回手作業は大変なので、ドメイン番人の サブドメイン棚卸し 単発チェック では、CT log + DoH 解決確認 + 11 種の既知 SaaS パターン照合を一括で行います。
是正の 4 ステップ
ステップ 1: dangling と確定した CNAME は DNS から削除
最も確実。SaaS 側のリソースを将来再開する予定がない CNAME は DNS から消すのが鉄則です。
ステップ 2: SaaS アカウントが残っているなら リソース名を自社で再取得
将来また使う可能性がある名前は、自社アカウントで占有しておくと攻撃者に取られない。
ステップ 3: 過去 SaaS の解約処理を SaaS 側で適切に行う
SaaS によっては「アカウント削除時にリソース名を予約する」設定があります。
ステップ 4: 再発防止のルール化
- サブドメイン作成・削除のフロー(誰が・いつ)
- 退職時のドメイン整理チェックリスト
- 定期棚卸し(半年〜1 年に 1 回)
見落としやすいパターン
| パターン | 見落とし理由 |
|---|---|
ワイルドカード CNAME *.legacy.example.co.jp |
個別サブドメインがログに残らないので把握しにくい |
子サブドメイン app.dev.example.co.jp |
CT 検索のクエリ式によっては漏れる |
| 認証不要の DNS 確認サービス(外部) | CNAME のみ確認して SaaS 占有状況まで見ない |
まずは現状を把握しましょう
ドメイン番人の サブドメイン棚卸し 単発チェック で 30 秒で確認できます。dangling CNAME と既知 SaaS のテイクオーバー疑いを自動で flag します。
検出された dangling CNAME の整理、SaaS 占有、是正計画の優先順位付けなど棚卸し全般の支援は サブドメイン棚卸し+テイクオーバーリスク診断(5 万円〜)でご相談ください。
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